人気ブログランキング |

タグ:蝶伝説 ( 1 ) タグの人気記事   

富山市北代の「木盾」と「弓」   

 昨晩、小竹貝塚(富山市呉羽北地区)で弥生時代の盾(たて)が発見されたとのニュースを聞いた。小竹貝塚といえば縄文時代前期のおびただしい数の埋葬人骨が発見されたことで近年も話題を呼んだ遺跡だが、こんどの発表は弥生時代の日本最北の木製「盾」の遺物である。
 テレヴィに映し出された映像を見て、私など考古学の門外漢にはどうしてこれが「盾」と断定できるのかまことに不思議に思えたのだが、そのとき、「盾」から連想で思い出したのは、この地の「弓」のこと。具体的にいうと、この地に伝わる「漆千ばい朱千ばい黄金の鳥が・・・」という伝承歌を、この地の古代の戦さ伝説にこと寄せて「漆弓千張り、珠弓千張り、金弦二千張り」と解したある江戸時代の書物のことでした。

 この小竹貝塚のある《呉羽丘陵北西麓の地》(呉羽・北代地区)の軍事と神事が交錯するいくつもの伝承に注目をしていたのは、江戸時代の富山藩士の野崎伝助でした。小竹貝塚の姉倉姫の「蝶伝説」としていつも紹介されるのは、野崎伝助の孫・雅明の『肯搆泉達録』ですが、この蝶伝説も、伝助の記した『喚起泉達録』のほうに、すでに、ていねいに紹介されていたのである。余談だが、どうも伝助さん、みずから現地におもむき、貝塚を掘り起こし貝殻を自分の目で確認したように思われるのである。そしてこの「漆弓千張、珠弓千張、金弦二千張」という古歌解釈?を私が知ったのも、伝助の『喚起泉達録』によってなのでした。

 ではなぜ、野崎伝助はこの北代一帯の地に注目したのか・・・。残念なことに、今、ここに『喚起泉達録』の記述を事細かに紹介する余裕はありませんし、私はそのことを十分に論じることのできる者でもありません。いずれ、しろうとの思いつきを書いてみたいとは思うのですが、興味のある方は、ぜひその復刻書『喚起泉達録・越中奇談集』(*1)なりその古代史関連部分の訳文を収める『喚起泉達録の世界』(*2)で、――「神奈老翁神代を説きて大竹野の由来を述ぶる事」の条を――ご参照いただければと思うのです。

 (*1)資料集成編集委員会・編/越中資料集成11/桂書房/2003.5
 (*2)浅見和彦・監修/棚元理一・訳著/藤田冨士夫・編著/雄山閣/2014.2

by kaguragawa | 2014-07-15 21:32 | Trackback | Comments(0)