人気ブログランキング |

タグ:俳句 ( 6 ) タグの人気記事   

竹の門と犀星   

 昨年末、江沼半夏さんの『筏井竹の門覚書』を読んで以来気になっていたのが、筏井竹の門(向田虎次郎、のち筏井家に養子)が生まれたのが“金沢市裏千日町”(正確には出生当時は町村制未施行で、〔金沢町裏千人町〕)だという記述でした。

 ところで室生犀星の出生地を、簡便に“金沢市千日町”としているものもありますが、これも正確には“金沢市裏千日町31番地”です。向田虎次郎(筏井竹の門)が生まれたのが明治4年、犀星が生まれたのが明治22年ですから少し年齢差はありますが、二人は同じ《裏千人町》生まれなのです。とすれば気になるのが向田虎次郎が生まれたのは裏千人町のどのあたりなのか?ということです。いずれにせよ裏千日町はそんなに大きな町ではありませんでしたから、ご近所です。

 残念なことに詳細な記述がある可能性のある『筏井竹の門覚書』も、そこから書き出したメモも手元にはありません(実は、こうした雑情報がぎっしりメモされている「かぐら川閻魔帳」ともいうべき雑記帳を紛失!)。そんな折、『高岡を愛した先人たち』の「筏井竹の門」の項(二ヶ竹亮介・稿)に興味深い記述を見つけました。

 “竹の門は、廃藩置県三ヶ月後の明治四年(1871)十月十六日(新暦11月28日)、金沢裏千日町の旧加賀藩士・向田家に生まれた。名は虎次郎、未熟児であり、体は小さく虚弱体質であったという。野町小学校卒業後は、紺屋に奉公に出された。虎次郎は染物の下弟子として図画を習う。これが将来、俳画に目覚める素地となった。のち「北陸新報社」の文撰工(活字拾い)となる(この頃同社には室生犀星が給仕として在職)。
 そして明治二十年頃から兄の影響で句作を始め、新聞にも掲載されたという。
 明治二十五(1892)、姉婿の弁護士・鶴見武三郎を頼り高岡に移住し、その事務員となる。一方、日本派俳句を提唱した正岡子規に共鳴し。新聞「日本」の俳句欄に投句をした。(以下略)”

 竹の門と犀星は、出生地や通った小学校が同じだけでなく、若い時代から同じく俳句への嗜好をもち、勤め先も一時同じだったようなのです。そしてこの「北陸新報社」について、犀星の側から調べてみようと思っていた矢先だったのです。

by kaguragawa | 2010-03-08 23:08 | 明治大正文学 | Trackback | Comments(0)

『室生犀星句集』   

 読みたいと思って買った本、借りた本がたまってしまっている。

 にもかかわらず片づけものをしていたときに出てきた『室生犀星句集』をついつい開いてしまう。

    雪 み ち を 雛 箱 か つ ぎ 母 の 来 る

 関東大震災で帰省中の作。犀川の土手道を老いた養母ハツが古雛を背負ってやってくる。

by kaguragawa | 2010-03-05 23:12 | 明治大正文学 | Trackback | Comments(0)

ハナミズキの実   

 いい句を読む楽しみは私にとって楽しいひと時ですが、みずから句をつくるという楽しみはありません。それでも俳句サイトにコメントを書かさせていただいた機縁で駄句をいくつかひねったこともあるのです。

 そのなかで出来は問題外ながら句をつくったことだけはしっかり覚えている、そういう瞬間があります。おじの葬儀のあと火葬場に向かう車中から見えた秋のハナミズキの細い独特の枝ぶりと赤い実がが印象的で五七五にしたのです。しかし、句をつくったことは鮮明に覚えているのにその句そのものが思い出せなくて自分でも情けなく思っていたのですが、偶然net友かわうそ亭さんのHPの過去ログの中に見つけました。
 自分のメモとして写しておきます。


   ミズキのミ幾何放射の枝に赤く付き  かぐら川

by kaguragawa | 2010-01-16 20:26 | メモ ひとこと | Trackback | Comments(0)

山茶花はさびしき花や   

 きょうは俳人池上不二子さんの歿後10年の命日。中川富女、沢田はぎ女という北陸の女性俳人の発掘に力を尽くしてくださったこと、あらためて有り難く思います。
 といっても、池上さんご自身の書かれたものを読んだことがなく『俳句に魅せられた六人のをんな』(1957/近藤書店)を借りだそうと勇んで?行った県立図書館が蔵書整理中で休館、富山市立図書館には蔵書なしということで肩透かしくらったような一日でした。

  師走といふ言の葉ゆゑにせはしくて  不二子

  山茶花はさびしき花や見れば散る  不二子
  

 通勤路で毎日目にするサザンカですが、この句に出会ってやっと安心したような心持ちがしています。


  *池上不二子 1909.02.28--1999.12.05

by kaguragawa | 2009-12-05 20:50 | メモ ひとこと | Trackback | Comments(0)

秋声忌   

 秋声忌。

 しぐれ降る寒き日や秋声忌

by kaguragawa | 2009-11-18 00:20 | メモ ひとこと | Trackback | Comments(0)

岩淵喜代子『評伝 頂上の石鼎』   

 読書人を自認する人にぜひ一読をお勧めしたいのが岩淵喜代子さんの著書『評伝 頂上の石鼎』(深夜叢書社)。今では忘れ去られた感のある原石鼎(はら・せきてい)という俳人を多角的に追った破格の評伝である。「忘れ去られた」というのは失礼な物言いかもしれないが、俳句に親しんだことのない人には名前は聞いたことがあっても代表的な句さえ思い浮かんでこないのではなかろうか。それゆえに、よほど大きな書店でないと書棚に並んでないだろうし、ましてそれが俳句コーナーに並んでいるとすれば一般の人には手にとられることさえないのではないのではなかろうか。
 が、石鼎のことをほとんど知らなくてもいい。石鼎の句一つ知らなくても挿し障りはない。私自身がそうだったのであるからこそ、読書の醍醐味を知っている人にぜひ読んでいただきたいのである。筆者の石鼎を語る語り口に魅せられ、石鼎その人にいつか会ったことのあるような気にさえなってくるのである。

 この本に触発されて求めた石鼎夫人・原コウ子さんの書かれた『石鼎とともに』(明治書院/1979.12)を読み、あらためてこの『評伝 頂上の石鼎』を再読しつつ、ようやくこの本の魅力のよってくるところが奈辺にあるか少しわかってきた気がするのですが、そうしたことも石鼎の作品を紹介しつつ、また岩淵さんにならって石鼎の跡をちょっと追いながら、おいおい書いていきたいと思っています。

by kaguragawa | 2009-11-14 23:47 | 本/映画 | Trackback | Comments(0)