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読みかけの二冊の本『東京空襲』『ペルシア人の手紙』   


 I君へ。

 「巣ごもり」などという言葉が使われるようになってきましたね。動物の生態として「巣ごもり」という語のきちんとした意味を知りたいと切に思っています。それはさておき、正直なところ、政府の呼びかける外出自粛や、ましてその〔×割規制〕などということがどういう科学的根拠に基づいているのか、私には未だによくわかっていないのです。(こうしたことの議論というより私の考えを、整理して書いてみたいと思いますが、時間のつごうでここでは自粛?)

 さて、いろんな偶然が重なり、まったく予定になかったのですが、今、2冊の本を読んでいます。きのうから『東京空襲』(一色次郎/1967/河出書房新社))、きょうの午後から『ペルシア人の手紙』(モンテスキュー/田口卓臣訳/2020/講談社学術文庫)を読み始めました。
 読み始めた途端に、この2つの本(書物)についておしゃべりしたいことが、いくつもでてきました。ルソー読みの仲間だったI君に、久しぶりに語りかけたいと思ったのも、I君であれば、モンテスキューとルソーという話題についても、自由に会話が出来そうだと思ったからでした。そういうおしゃべりの入り口として、そもそも、それぞれの本に私がたどり着いた経緯や、それぞれの本の(私が知り得た)出版経緯なども、書いておきたいのですが、――とすればここ2週間ほどの雑事をこまごまと語らなければなりませんが――、それ以外にも、気になることがいくつもあり、I君の意見も聞きたくなったのです。

 ――と、書き始めたのですが、今は、時間の制約があります。今日のところは、第1信として?、「こんな本を読んでますよ」というお知らせだけにするとして、『ペルシア人の手紙』の中からある一節だけの引用だけをしておきたいと思います。「手紙105」の一節です。

 「化学の災禍に関する良識ある人たちの話を聞いたことがあります。戦争、ペスト、飢饉が大量の人間を断続的に破壊するのに対して、化学は人間を少しずつ持続的に損傷し、破壊していく四番目の災いであるようです。」

 この文中の「カガク」は書かれている通り「化学」であって「科学」ではないのですが、これを「科学」と読み替えてみるとどうでしょう。そして、「ペスト」を一般化して「感染症」と読んでみてください。この文が、≪ここ数か月、《専門家》と呼ばれる「科学者の口から発せられたことば」が、“人間を少しずつ持続的に損傷”してきているのではないか・・・≫。――そんな風にも読めてしまうのです。
 モンテスキューの警句が、原文とはちがった文脈ではあれ、切実に迫ってきませんか。「専門家」と呼ばれるエセ科学者とその人々が語る「エセ科学」が社会を席巻した9年前の再来を、私たちは眼前に見ていると思えてなりません。

 また、書きます。

by kaguragawa | 2020-04-28 22:49 | Trackback | Comments(0)

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