人気ブログランキング | 話題のタグを見る

中谷宇吉郎と木田金次郎の『北海道』   

 中谷宇吉郎と木田金次郎の共著で『北海道』(1960/中外書房)という本があることを知った。この二人にどのような接点があったのだろうか、この本にもこの本の成り立ちを語る文章はない。7歳ほど木田の方が年長だが、亡くなったのは同年1962年。二人の共通項はまさに北海道という大地と、強いて言えば有島武郎であろうか、それとも中谷にもみられる強い絵心だろうか。

 思いのほか安価な古書を見つけ購入したが、残念ながら箱は欠損だらけのぼろぼろ。なんとか本文は読めそう。〔前半が木田金次郎の絵(スケッチ?)と文。後半が中谷宇吉郎の文(一部」写真と文)〕

 私が、木田金次郎の名を知ったのは有島武郎『生れ出づる悩み』の主人公?としてだが、その後いくつかの出会いがあった。そして最近、中谷宇吉郎の晩年のグリーンランドの雪氷研究を調べる中で、二人の晩年に『北海道』という共著があることを知った次第。この本の二人の文章のなかに、二人の接点を記した箇所があるのかも知れない。時間を見つけゆっくり読んでみたい。

*なお、中谷宇吉郎と木田金次郎の共通項として「有島武郎」を挙げたのは、「中谷宇吉郎年譜」(『中谷宇吉郎随筆選集第三巻』(朝日新聞社/1966)に、
「昭和十八年(1943)五月、ニセコアンヌプリ山頂の着氷観測所完成。昭和二十年(1945)八月終戦、ニセコの着氷観測所を解体。家族をニセコ山麓の有島農場に移す。」とあることによる。


中谷宇吉郎と木田金次郎の『北海道』_e0178600_20302024.jpg
〔追記〕

 木田金次郎美術館の2012年秋冬展示で「木田金次郎と中谷宇吉郎」展があったようだ。


by kaguragawa | 2019-07-06 20:32 | Trackback | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード

<< たまきの命日に――岸他万喜と山... 映画モスラ制作中の堀田、中村、福永 >>