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2冊の本   

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『巨人軍物語』
『河上肇の人間像』

 同じ人物が関わる異質な本2冊。
 『巨人軍物語』(スポーツ世界社/1949.4)には、日本野球連盟常任理事・野口務の名が見える一方、『河上肇の人間像 付 年譜・著作目録』(図書新聞社/1968.6)には天野敬太郎・野口務編の文字が見える。

 この野口務については高岡市立博物館の企画展「堀田一族と伏木」に紹介がある。野口務は、堀田善衞の『若き日の詩人たちの肖像』で、主人公から“従兄(おにい)さん”と呼ばれる人物のモデルである。

 『巨人軍物語』の「序にかえて」には、たとえば、“戦後の再建以来、時代の波にのり、スポーツの王座を地位を占めた如き観あるわが日本野球は、一九四八年においては、社団法人の認可、株式会社の創立をおえ、家内工業的マニファクチュア的経営より資本主義的経営へ、すなわち封建的段階より近代的な段階への飛躍の基礎的地盤が、がっしり構築されたのである。”といった記述がある。河上肇の愛弟子の面目躍如?といったところ。
 この2冊の本は、見た目ほど異質な2冊ではないようである。

追記;
 言うまでもなく?、『巨人軍物語』の表紙をかざっているのは“沢村栄治”。沢村追悼に捧げられた雄姿。



by kaguragawa | 2018-10-20 20:08 | Trackback | Comments(0)

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