『夜の森』
2018年 07月 28日
シベリアから帰った主人公・忠三は満期除隊を迎えると、梅毒に冒された想い人芙美江を引き取り、ともに新たな生を営み始めるのか。憲兵同伴という半拘禁状態で帰国することになった忠三に、それは可能なのか。
一兵士としてウラジオストックからシベリアに上陸した当初、農家の三男で呉服屋の手代だった忠三は「内地で再び紺の風呂敷包みをかつでまわることはアホらし」く思われ、「満期除隊のあかつきには、ブラジル満蒙シベリアへでも出」て一旗揚げようと思っていたのだ。が、しかし、帰国直前の日記には「満期除隊したら黙って働こう」と記す。彼のうちで何が変わったのか・・・。その彼にはどのような生が用意されているのか・・・。
by kaguragawa | 2018-07-28 20:13 | Trackback | Comments(0)