「今の日本の憲法はな、明治のお人たちの、血やら涙やらいのちやら」
2017年 06月 25日
堀田善衞の『審判』に登場する不思議な老婆・郁子刀自――モデルは明治の自由民権に関わって生きた堀田善衞の伯母・郁子であることは明らかだが――の語りに、こうある。
それよりも、「明治もんのわたしらにも、いまの憲法の方が教育勅語よりよっぽどありがたいがいね」と自由民権の空気をよく知る老婆に語らせる堀田善衞の、明治の自由民権と現在の憲法とのつながりの指摘は、味わってみる価値のある、というよりあらためて深く検証する価値のある貴重な、ものではないか。
追記:“名古屋の山口孤剣さんーー”について;
『破帝国主義論』(1903)の奥付によれば、発行所である「火鞭社」の住所が「名古屋市武平町三丁目百六十九番地」であり、“発行兼編集人”と記されている山口義三の住所も、同様に「名古屋市武平町三丁目百六十九番地」となっていることによるのであろう。山口義三が名古屋に住んだことがないと断言はできないが、疑問である。確認は課題とします。
by kaguragawa | 2017-06-25 16:51 | Trackback | Comments(0)