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災地にありて災を慮らざる   

 死地にありて死を知らず、災地にありて災を慮らざるは、愚者の事なり。日本にありて、治水の理に通ぜざる、その亦愚者の誹を免れず。
 抑も治水学は日本に於いて将来一科の専門学たるべく、治水術は日本人の為め永く一種の専門術たるべきものなり。否な、日本に生まれて治水に通ぜざる者は、人にして衣食の理に通ぜざるよりも更に危険なり。



 久しぶりに心動かされることばに出会いました。稲垣示が、西師意の『治水論』(明治24)に寄せた「序」から。稲垣示が後に田中正造と行動を共にしたことを思い起こさせます。

by kaguragawa | 2016-04-29 21:53 | Trackback | Comments(0)

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