南陽堂のこと:「柳川昇爾コレクション」参観   

 きょう金沢湯涌夢二館訪問、《柳川昇爾コレクション新収蔵記念展―― 「南陽堂書店」主人が愛した夢二》参観。学芸員のkさんから懇切な説明をうけ、富山の南陽堂についても多くの新情報をいただく。貴重な情報だ。この点については、あらためて紹介する機会をもちたい。

 ところで、そこで思いもせずドイツ文学者で詩人の藤森秀夫の名前を目にした。旧制富山高等学校の教授であった藤森は、富山時代に南陽堂から『三つの鍵:短編集』という本を出しているのだ。(柳川昇爾が独立して金沢に南陽堂を出す前の話だが。)南陽堂は古書店であると同時に出版もおこなっていたのだ!。そして、ここ数日、藤森秀夫の名前を何度も目にしていたので、「富山」を舞台にした人々の出会いにちょっとばかり感激。

 藻谷銀河の歌集『仙人掌』に「将棋」という歌群(昭和三年)があり、そこにこのような歌がある。

  藤森秀夫兄に

身に過ぎし友をえにけり今日今宵はじめて逢ひしここちこそせね

独乙語の教授てふ名を厳かしみ訪はで過ぎ来し日をくゆるなり

将棋さしていたく夜ふけしかへるさはダリアの花をきりてたびしか

盤面に動く駒より何もなきふたりとなりぬ長き夜も更け

手づまりの将棋や日ごろたしなまぬたばこをやけにふかせども

桂馬跳ねて玉のふところひろびろし且つや先手となりし得意さ



 
 話をもう一度、南陽堂から出版された『三つの鍵:短編集』にもどして、奥付を紹介しておく。

  短編集 三ツの鍵
    昭和七年二月二十八日印刷
    昭和七年三月一日発行
      (正価一円二十銭)

    著者 
     富山市桃井町
      藤森秀夫
    発行者
     東京府下国立町
      柳川光
    印刷所
     富山市中野新町
      庄司印刷所
    発行所
      東京府下国立町
      南陽堂出版部
         振替東京六四九六一番


 富山の古書店「南陽堂」とこの本の発行所となっている東京国立町の「南陽堂出版部」を、どうつなげたらいいのか。ここからが新たな課題だ。
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by kaguragawa | 2014-08-24 20:38 | Trackback | Comments(0)

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