「今日の金沢記:驚き3題」
2014年 05月 31日
1)石川県立図書館で、『絵で見る明治商工便覧』(全10巻)閲覧。
選ばれた作品の復刻版。期待して足を運んだ「解題」「解説」はいっさい無く、びっくりとがっかり・・・。こんな復刻版ってあるのか。。。
2)徳田秋聲記念館の連続講座「女性が読む秋聲文学の“今”」、第一回は、江種満子さん(文教大学名誉教授)で、読む秋聲作品は『黴』。
江種先生のみごとに整序されたお話と秋聲もかたなしのユーモアある笹村評も一驚でしたが、それに加えて驚いたのは、参加者の中にもこのとっつきにくい作品『黴』を愛読玩味!されている方がおられたこと。
秋聲記念館のオリジナル文庫『黴』も、今日!発売。紙面がととのっていて読みやすい。
いくつも宿題をいただき、ありがたく退散。
3)あうん堂で、ご主人に、《南陽堂》のことを尋ねてみた。
この尾張町の古書店、ずっと店が閉まっていてどうされたのだろうと思っていたところ、店内からいよいよ本が消えてしまったのだ・・・。
ほんとうにほんとうに驚いたことに、店主の柳川さんは一昨年末に亡くなられたのだという。かつて富山の市電荒町電停前にあった「南陽堂」とこの尾張町の「南陽堂」について、柳川さんにお聞きしたのは、2年前のことでした。以下、そのときのメモ;
“ご主人の顔を見てびっくり。富山の南陽堂のおやじさんとよく似ておられる。なんでも金沢・南陽堂ご主人の母親のお兄さん(すなわち伯父さん)が、富山南陽堂のご主人にあたられるのだそうです。富山南陽堂のご主人は20年ほど前に亡くなれているそうで、その折、店を閉められたそうです。しばし、歓談。”
個人的には40年前の学生時代からたびたび寄っていた〔金沢橋場町の南陽堂〕が消滅してしまい、ぽっかりとどこかに穴のあいた思い。そして――先に姿を消した〔富山荒町の南陽堂〕にも亡き父との忘れることのできない思い出がある。
忘れられない柳川家のお二人の古書人のお冥福をお祈りしたい。
by kaguragawa | 2014-05-31 22:30 | Trackback | Comments(0)