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霜川文学の原点『ひとつ岩』を読む(1)   

 霜川の実質的な処女作である「ひとつ岩」については、以前から旧ブログにいくつかのメモ書きをしましたし、このブログでもその翻刻を順次掲載することを約束もしました。が、翻刻掲載については、なにより私の怠惰さゆえ、つぎには霜川自身のテキストの復刻の方法について迷いから中断したままになっています。そして翻刻掲載を再開できる準備はできてないのですが、その書誌的なことがらからでも、もう一度「ひとつ岩」の近くまで迫ってみたいと考えています。

 三島霜川「ひとつ岩」 

・〔作品初出〕 「ひとつ岩」は、雑誌『世界之日本』に(一)から(十)までの10節が、次のように分載された。115年前の、季節的にはちょうど今頃、世に出たことになります。

  明治32(1899)年4月8日号・・・(一)(二)(三)
  明治32(1899)年4月15日号・・(四)(五)
  明治32(1899)年4月22日号・・(六)(七)
  明治32(1899)年4月29日号・・(八)(九)
  明治32(1899)年5月6日号・・・(十) 

 掲載誌『世界之日本』については、別の機会にその主筆であった竹越与三郎のことと併せてふれたいと考えています。未見ですが、柏書房から復刻版がでています。下に、その復刻版の紹介文に載っていた雑誌の概要を転記しておきます。  

※『世界之日本』開拓社:主筆/竹越与三郎:明治29(1896)年7月~33(1900)年3月
19世紀末の思想界をリードした総合雑誌の復刻版。陸奥宗光・西園寺公望の後援を得て竹越与三郎が編集。単なる政論雑誌ではなく,文学・美術・教育・科学・社会・経済など社会全般を扱った評論活動を行なったことで知られる。伊藤博文・尾崎行雄・山路愛山・夏目漱石など多彩。
(『世界之日本』復刻版〔柏書房/1992年1月〕の告知文より)
 
・〔作品所収
  1.『三島霜川作品集 Ⅰ』(高岡市教育委員会/1977)
    ※初出誌のコピー復刻 (一)(二)(三)のみ
  2.『福島県文学全集〔第1期 小説編〕第1巻 明治編』
    (木村幸雄監修/2001.10/郷土出版社)
  3.『三島霜川文學館(七)』(麻生茂夫:編集復刻/2002.08)  
    ※初出誌のコピー復刻(全篇)

・〔作品に関連する霜川自身のエッセイなど
  「奈何にして文壇の人となりし乎」 『新潮』明治41(1908)年10月
  「薄幸なる我が処女作」 『秀才文壇』明治42(1909)年8月
  「私の文壇に接触した時分」 『新潮』明治43(1908)年12月
  「渦と白い死骸――少年時代の記憶」 『新潮』大正元(1912)年12月

by kaguragawa | 2014-05-04 21:45 | Trackback | Comments(0)

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