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谷口貴都さんの三回忌の日に   

 今日、三回忌を迎えられた谷口貴都さんの未完の遺稿となった「磯部四郎とその法律学――近代法学黎明期を歩んだ人々――」から、その稿のテーマについて語られている部分を写しておきます。

 本稿はこれら明法寮で学んだ人々、中でも磯部四郎、栗塚省吾、加太邦憲、井上正一、宮城浩蔵らの生き方を通して我国における近代法学の形成をたどることを目的としている。彼らは明法寮でブスケ、ボアソナードから法学を学んだ後、フランスに留学して本格的に法学、政治、経済等の近代的学問を学び取り、帰国後はそれを礎に日本の近代化に尽力した人々であった。これらの人々はこれまで講学で取り上げられることが少なかったが、日本の近代法学黎明期を築いた人々として忘れてはならない存在である。

 大きな意気込みをもって勤務先の大学紀要に書きはじめられた「近代法学黎明期を歩んだ人々」の像は、描き終わられることはありませんでした。きっと谷口貴都さんの遺志を継いでこうした若き志の明治人の正姿をかっちりと掘り起こし提示してくださる研究者の方が出てこられること期待大です。

by kaguragawa | 2013-09-07 23:40 | Trackback | Comments(7)

Commented by kaguragawa at 2014-05-30 22:39
5/29コメントさま。谷口先生のあとを継ぐ研究がされているのかどうか、専門家ではない私にはわかりませんが、少なくとも富山県内では先生の研究は忘れられているようです。
富山県への旅がよき旅であることをお祈りしています。
Commented by むら at 2015-10-04 21:44 x
先日9/22に亡き先生のご自宅に訪問しました。先生が亡くなられてから4年経過しました。訪問した日の庭には紫式部が鮮やかな紫色の美しく光輝いておりました。今も少しずつ谷口先生の辿られた足跡を見ると先生とご一緒していた時代の私がよみがえります。
Commented by kaguragawa at 2015-10-04 22:53
むらさん、このブログのことを覚えていてくださって有り難うございます。
法形成の歴史をたんねんに跡付けようとする試みがほんとうに必要な時代になってきていることを感じます。むらさんの思いにふれて、谷口先生が地道に追いかけておられたこと、出発点にしたいと、今あらためて思っています。
Commented by むら at 2015-10-05 20:43 x
Wikipediaにて谷口貴都先生の経歴や功績を少しずつ記載しております。但し自分が持ち合わせた資料ではまだまだ乏しく資料を入手次第の追加アップで時間がかかっております。一度検索して頂ければ有難いです。結構エピソードもたくさんあり、色々な事紹介することで多くの方に谷口先生の人物像並びに功績を見て頂ければ大変有難いです。
Commented by kaguragawa at 2015-10-06 23:02
谷口先生のwiki、拝見しました。研究者としての谷口先生の功績を紹介するには、1)早稲田大学での師弟関係、2)ローマ法研究と磯部四郎研究の概要(というより到達点)の記述が不可欠ですね。磯部四郎については、吸収中です。
Commented by むら at 2016-12-28 12:08 x
こぶさたしております。せんせいもなくなられてからあっというまに5ねんすぎました。まだせんせいのけんきゅうはすすんでいませんが、できるきっかけをさがしたいとおもいます。なぜかかんじにへんかんできないことをおゆるしください。よいおとしを。
Commented by kaguragawa at 2016-12-31 23:01
コメントありがとうございます。
先生の最後のテーマだった磯部四郎の研究、来年は私なり一歩進めたいと思っています。Mさんもよいお年を。
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