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『新著文芸』〔第一巻第一号〕 (1)   

 ある方のご厚意で『新著文芸』の初号(第一巻第一号)の現物を手にとってみることができました。いまからちょうど110年前の1903(明治36)年の7月1日発行の文芸雑誌です。三島霜川を追っている私にとっては、重要な雑誌です。

 目次には、次のような作品が並んでいます。

  すきぶすき 徳田秋聲
  無限恨   小栗風葉・木内茶庵
  名人の夜  斎藤弔花
  塩田    三島霜川
  思ひ子   高橋山風
  破家の露  秋香女史
  姫物語   奴之助


 明治36年時点で霜川とともに雑誌の初号の目次に名を連ねる人々の名を一覧して不思議な感慨を覚えるのですが、即席文学史家の私などがとかく知ったかぶりの言及は避けます。ほかに名の挙がっている人物で書き足しておきたいのは、口絵石版の作者;小峰大羽、評林欄に「文壇不振の二原因」「三子者に学位を授けよ」を書いている桐生悠々です。

 第一号ですので、編集者のことばがあります。(仮名遣い、句読点は原文のままとしました)

 こゝに同人会い集まりて一の文芸雑誌を発行す。敢て今日の文壇に貢献するところ多しと叫ばざれど。また徒に閑月日の痴切符を以て甘むずるにあらず。聊か相約し相期して孜々兀々たるの効果。もしそれ平生の志に酬ゆるをえば自ら足る。洛陽の紙値は措て問はず。たゞ未見の知己幾何にあるのみ。
 癸卯の夏 修養堂主人 奴の助 


 奥付きは;

  編集者  稲岡正文
     東京市下谷区中根岸町五十四番地
  発行者  江原豊治
     東京市下谷区中根岸町五十四番地
  発行所  弘文社

by kaguragawa | 2013-07-08 22:28 | Trackback | Comments(0)

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