《御満座荒れ》の「御満座」とは・・・
2012年 12月 25日
「御満座荒れ」の“満座”とは、浄土真宗の本山で親鸞聖人の命日を控えて一週間にわたっておこなわれる「報恩講」の最終日(満願日/満座日)のことである。報恩講の頃にやってくる冬の荒天のことをそれにちなんで「御満座荒れ」と呼ぶようになったのである。
親鸞聖人は、《弘長二年十一月二十八日》に亡くなっておられるので、浄土真宗の大谷派(お東)では、旧暦時代のその日をそのまま、つまり11月28日を命日として年忌法要をおこなう一方、本願寺派(お西)では旧暦のその日をグレゴリオ暦に換算した《1263年1月16日》の1月16日を命日として年忌法要をおこなう。
(余計な話だが、「弘長二年十一月二十八日」を〔1262年〕としているものが多い。が、これは誤りである。弘長二年はほとんどが1262年と重なるが、十一月二十八日はグレゴリオ暦では、年をまたいで〔1263年1月〕となる。)
「鰤起こし」と同義で使われる初冬の「御満座荒れ」は、大谷派の報恩講の最終日(満座日)とその前夜(お逮夜)辺り――11月27日、28日――が「御満座荒れ」あたることになる。その一方で、本願寺派の報恩講の最終日(満座日)とその前夜(お逮夜)辺り――1月15日、16日――の荒天も「御満座荒れ」と呼ばれる。こちらの方は冬の真っ盛りである。
なお、11月28日も、1月15日もデータ的には荒天の「特異日」だそうである。
by kaguragawa | 2012-12-25 23:01 | Trackback | Comments(0)