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ちょっとメモ:《社》の読み(2)   

 《社》を〈こそ〉と読む例は、人名などにはかなり見られるようです。

 石社(いしこそ)、大社(おおこそ)、乙社(おつこそ/おっこそ)、藤社(ふじこそ)、村社(むらこそ)あるいは社下(こそげ/こそした)、社田(こそだ)、社林(こそばやし)、社辺(こそべ)、社山(こそやま/やしろやま)・・・。
 ほかにもあるかも知れません。こういう用字に地域的な特性があるのかなども知りたいたいところですが、ご存じの方があれば教えてください。

 そう言えば、残念なかたちで世を騒がせた大社義規(おおこそ・よしのり)さんがいました。
 (注:7年前の旧日記に大社さんのことを書いていました。)

 そもそも、助詞「こそ」に漢字《社》を宛てることになったのはどんないきさつによるのか、そして助詞「こそ/社」と人名(地名もあるかも)の用字《社/こそ》にどんな関係があるのか、暇をみて調べてみたいと思いますが、教えてくださる方が大先達がおられれば大歓迎です。

〔追記〕
 手持ちの古い漢和辞典『大字典』(講談社)の「社」の項にはこうありました。句読点は補いました。

“我国では、社を助詞のコソの義に訓ず。俚言集覧に「社をコソと訓むは孝徳紀に見えたり。神社は祈請の所なれば乞と字義通へり。姓の古曽部も天武紀に社戸と書けり云々」とあり。”

 ・・・ということで、日本書紀に「《社》=こそ」の事例が見られることがわかりましたが、天下の暇人たる私にも今、日本書紀をひもとく余裕はありませんので、同時代の「万葉集」の例をあげておきます。巻第十二の三〇〇四の歌です。(下記の引用は、中西進『全訳注原文付 万葉集』講談社文庫によっています。)

  ひさかたの 天つみ空に 照る月の 失せなむ日にこそ わが恋止まめ 

この歌は、漢字で下のように書かれているそうです。たしかに“日にこそ”の部分が《日社》になっています。

  久堅之 天水虚尓 照月之 将失日社 吾戀止目

by kaguragawa | 2012-09-21 20:20 | Trackback | Comments(1)

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Commented by yamatsuda3 at 2014-02-24 14:31
日本国語大辞典の「こそ」にも万葉集にある例が出ていました。
人名に使うというのは知りませんでした。

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