「諸君今や人を殺さんがために行く」   

 NHK「日本人は何を考えてきたのか」第4回《非戦と平等を求めて ~幸徳秋水と堺利彦~》1月29日(日)の再放送。

 見逃したこの番組が今日再放送されているということも知らず、チャンネルを変えたら突然、幸徳秋水の「兵士を送る」が耳に入ってきて驚きました。
 “行け従軍の兵士 吾人(ごじん)今や諸君の行(く)を止むるに由なし 諸君今や人を殺さんがために行く 否(しから)ざれば即ち人に殺されんが為に行く 吾人は知る 是れ実に諸君の希(ねが)ふ所にあらざることを”。
 幸徳秋水、森近運平、堺利彦の書かれたものが断片ながら朗読されるのを聞きながら、とりわけ「思想」を持った故に「大逆事件」に生命を奪われた人々の無念を思うと同時に、ようやく始まった地道な復権の動きを心に刻みました。

 獄中から家人に送られた森近の書簡には、故郷の温室で育てていた「ハイビスカス」のことがふれられていて、はずかしいのですが、ここからはずっと涙を抑えることもできずに番組を見ました。
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by kaguragawa | 2012-07-01 17:40 | Trackback | Comments(2)

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Commented by tosukina at 2015-02-21 01:51
各項目、読ませて頂き諸々と想起しています。
連日のコメントで恐縮ですが…
番組の冒頭から出演の歴史学者クリスチーヌ・レヴィさんとは昨12月に研究会でお会いしたばかりですが2012年2月に他の数人の初期社会主義研究者の方々と共に新宮の地を訪れ、彼の地の大逆事件での刑死者の墓碑を訪ねました。

また堺利彦が「和田久太郎君の事ども」で追悼している和田久太郎は昨日2月20日が命日でした。

堺の文を引用します。
「昭和三年二月××日、和田久太郎君が獄中で自殺した。…… 先ず和田君の遺著とも云うべき『獄窓から』を少し読んだ。少し読むと、あとからあとからと引続いて読みたくなる。考えては読み、読んでは考える。手紙と俳句と随筆とが無限の興味と感慨を起させる。
…… 『この上はウンと馬鹿になって、生きられるだけは生きているつもりだ』と云った彼が、とうとう矢張り自殺した心持ちも分って居る。私のような、自殺の出来そうにない弱い男は、いろいろ苦しい思いをする。彼の死んだという報知に接した時、私は胸がピタリとつかえるという感じもした。 久太の一生涯の荷がおりたのだ。
『もろもろのなやみ消ゆる雪の風』
辞世の句も嬉しい」

和田久太郎に関してはブログにアップしてあります。
http://wadakyuu.blog.jp/archives/1000676360.html
http://wadakyuu.blog.jp/
Commented by kaguragawa at 2015-02-22 18:43
今日、大正期の有島武郎全集のことを調べていて、「叢文閣」の足助素一と大杉栄に行きつきました。きちんと調べてみたいことが山のように出てきます。
それにしてもweb上に頼れるアルヒーフをつくっていただけていることに感銘をうけました。

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