《小野浩のこと―3》   

 小野浩と宮沢賢治の続稿を書かないままになっているのですが、水守亀之助の『わが文壇紀行』の「鈴木三重吉の凝り性」の項にも、小野浩の名前を見つけたので、忘れないうちにメモしておきます。

 「新小説」にいた小野浩は、後に「赤い鳥」の編集に携わったが、彼の話によると「近頃、鈴木さんはどうも悪酔いをして乱暴になって困る。この間も障子をぶちこわしたりしてね。」と、いっていたことがある。神経が鋭くて弱い芸術肌の人が事業などをすると荒みやすいもので、酒にまぎらすだけのうちはいいが、とかく悪酔いして乱れる癖ができるものなのだ。鈴木さんのは他にいろいろの悩みや心労があったせいと思われるが、そこまで立ち入って考えるまでもあるまい。
 小野浩も若死にしてしまった。早大文科出身で、戸塚の下宿屋の娘さんと早くから結婚していたが、若いくせに晩酌を愉しむという愛酒家であった。

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by kaguragawa | 2012-03-22 22:56 | Trackback | Comments(0)

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