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東京の馬場邸の主の名が・・・   

 今朝の北日本新聞は、一面のトップに「旧馬場邸富山移築を」との見出しで、東京新宿区にある今使われていないある公邸を富山に移築する計画を報じています。
 “旧制富山高校(現・富山大学)の創立に尽力した馬場はるが昭和初期に長男の住居として東京都新宿区に建設し、戦後は最高裁判所長官公邸として利用されていた和風邸宅を県内に移築する計画が浮上している。” 
 日本近代建築の代表作の一つといわれている新宿区にあるこの「旧馬場邸」――新聞に所在地は伏せてありますが、神楽坂脇の若宮町で、東京へ行くたびにいろんな建築物を見て歩いている私もまだ足を運んでいないものなのですが、――について今ここで書こうというのでもなければ、日本海交易に活躍した北前船五大船主といわれた廻船問屋の馬場家のことや、馬場家とこの建物を設計した吉田鉄郎の知られざる?関係を書こうというのでもありません。
 この旧馬場邸移築の新聞記事には省略されたある人の名が朝から気になってしかたがないので、そのことを書いておきたいのです。

e0178600_23244877.jpg 上に引用した記事中に登場する“馬場はるの長男”。この方の名前がなぜか新聞には書かれていませんが、馬場正治氏です。それがなんと、この方の名前を一昨日、あるところで見たばかりなのです!。しかも堀田呉吉と並んで彫り込まれている馬場正治さんの名前を・・・。
 この正治さんの生没年など確認しようと思っていた矢先に、正治さんの元住居のことが地元紙のトップに出ていたので驚いたのです。
 堀田呉吉さんと馬場正治さんの名前を見たのは、きのう紹介した稲垣示翁之碑の左下脇にある多くの寄進者名を記した碑の中なのです。私がなぜ興奮気味にこの二人の名前を繰り返し書いているのかを説明しようとすると、面白くもない話を延々としなければならないので割愛するしかないのですが、明治大正期の富山人のネットワークが見えてくるからなのです。
 そんなことも、追い追い、書いていきたいと思っています。


〔追記〕
 あまりにも説明不足なので、《堀田呉吉》の名が登場する旧日記〔2007.8.14〕を一部引用しておきます。堀田呉吉というのは作家・堀田善衞氏が「私の曽祖父の本名」と語る人物なのである。

『堀田善衞集――戦後文学エッセイ集11』(影書房/2007.4)
 この『堀田善衞集』中の「二葉亭四迷氏と堀田善右衞門氏」というエッセイに関わることがらについて、忘れないうちにメモ書きをしておきたいと思います。
 それは、二葉亭四迷が使っていた住所録に「堀田善右衞 同呉吉」という名前が出ていることについての照会に、堀田善衞氏が答えるところから始まっています。

 “この堀田善右衞という名は、徳川時代から北陸は伏木港で北前船による廻船問屋業を営んでいた、私の家の家長が代々継いで来た名前であった。廻船問屋としては、鶴屋という商号も持っていたから、鶴屋善右衞門と呼ばれたり、書かれたりしたこともあった。(中略)そうして、二葉亭四迷の知人住所録に、呉吉とあるのは、私の曽祖父の本名であった。”
 “けれども、私に言えることは、実は以上、これだけなのであって、これ以上のことも、これ以外のことも、何も言うことができないのである。ましてや、二葉亭四迷の住所録にどうしてわが祖先の名が出て来ているものか、とは、推理することもほとんど不可能である。”

 ふむふむと読んできて、びっくりしたのが、次に《稲垣篤》の名前を、やはり、二葉亭四迷の住所録から堀田善衞氏が出してこられたからである。


by kaguragawa | 2012-01-04 23:11 | Trackback | Comments(2)

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Commented by nene_rui-morana at 2012-01-05 22:19
 ご挨拶が遅れましたが、新年おめでとうございます。昨年は度々訪問し、いろいろ勉強させていただきました。あらためまして、今年もどうぞよろしくお願いします。

 私も、全く別個にあたっていた事実の点が線になって結びついた時、歴史というものの醍醐味を実感し興奮を覚えます。
 過去の例では、別々の展覧会でその作品に感銘を受けた歌川国貞と五雲亭貞秀、鈴木其一と河鍋暁斎が、調べたらそれぞれ師弟と舅婿の関係にあったことが分かり、偶然とは思えない事実に大袈裟ですが驚きと感激を覚えました。
 また、自分が暮らしている場所について書かれた近代の小説や幕末・明治期の回想録・日記(外国人のものも含めて)を目にした時も、感じるものがあります。
 今後もマイペースで興味を抱いた内容を追求し、思いがけない発見が得られることに期待したいと思います。
Commented by かぐら川 at 2012-01-07 20:28 x
私の方こそ、ご挨拶が遅くなり失礼しました。
展示会を中心にした多くの日録、うらやましくも、拝読させていただいています。
上京の折も、目的の地を歩くことがせいいっぱいでなかなかさまざまな企画展に足をはこぶこともできていませんが、少し展示会情報にも気を配りたいと思っています。今年もよろしくお願いいたします。

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