『現代文士廿八人』のことなど   

 データ・メモとしてきのう紹介した『現代文士廿八人』の28人の名前を紹介しておきます。
 (見やすくするために、便宜的に4人ごとに掲載しました。)

  田山花袋、 国木田独歩、 生田葵山、 夏目漱石、
  菊池幽芳、 小川未明、 小杉天外、 内藤鳴雪、
  徳田秋声、 水野葉舟、 島村抱月、 後藤宙外、
  徳富蘇峰、 島崎藤村、 小栗風葉、 大町桂月、
  吉江孤雁、 内田魯庵、 与謝野晶子、 泉鏡花、
  徳田秋江、 小山内薫、 正宗白鳥、 蒲原有明、
  戸川秋骨、 柳川春葉、 片山天弦、 三島霜川

 さらにこの本には「附録」として「如何にして文壇の人となりしか」の節があり、次の14人のエッセイ風の文章が載っています。

 正宗白鳥、相馬御風、生田長江、小山内薫、水野葉舟、金子薫園、真山青果、吉江孤雁、徳田秋江、片山天弦、小川未明、三島霜川、岡本霊華、秋田雨雀

 この28人の人選の傾向について私ごときが述べることはないのですが、この『現代文士廿八人』発刊の前年に亡くなった国木田独歩が病床にあった際、独歩を励まし支援するために企画刊行されたことで話題になった『二十八人集』と根の通じているものだろうと思います。28人という数字が同じだけでなく、『現代文士廿八人』の編著者中村武羅夫が『二十八人集』にも関わっていることからも確かだと思うのですが、折を見てそういうことも確認してみたいと思っています。
(『現代文士二十八人』の全項に目を通していないのですが、国木田独歩の項が、独歩の死についてふれていないことや、三島霜川の住まいが芝二本榎になっていることなどから原稿が書かれたのは、1908(明41)年の前中期だろうと推測されます。)

〔追記〕
 多くの文人の本を出版しているにもかかわらずあまり話題にされることのない出版社“日高有倫堂”のことも知りたいと思っていますが、文学史にうとい私には手がかりがありません。
 『現代文士廿八人』の奥付には、〔発行者 東京市本郷区天神町二丁目廿五番地 日高藤兵衛 発行所 東京市本郷区天神町二丁目廿五番地 日高有倫堂〕となっています。なお、「本郷区天神町二丁目」は、「本郷区湯島天神町二丁目」の略記だろうと思うのですが、とすれば現在の「湯島3丁目26」の辺りかと思います。

〔追記2〕
 どうも私の推測どおり、この本は1908(明41)年の『新潮』連載記事の再録のようである。中村武羅夫が『新潮』の記者として文士(作家)を訪問した記録を、まとめたものが『現代文士廿八人』。小栗風葉の序には“初対面にて直感し得たる第一印象を基礎として、現代文士の人物を評論したるものなり”と書かれている。なお、1915(大4)年に文山堂書店と言う所から再刊されているようである。

〔追記3/08.08〕
 この本の三島霜川項は、1908(明41)『新潮』3月号に掲載された王春嶺「第一印象録 三島霜川氏」の再録だろうと思います。当時すでに、王春嶺(中村武羅夫)は、水守亀之助を介して霜川とはかなり親しかったのではなかろうか。
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by kaguragawa | 2011-08-05 00:01 | Trackback | Comments(0)

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