三島正六が語る父・霜川
2011年 07月 05日
この談話は、『越中の群像―富山県百年の軌跡』(富山新聞社編/桂書房/1984.3)の「三島霜川と明治の文壇」の項に掲載されています。 なお、『三島霜川選集』の「上巻」(三島霜川選集刊行会/1979.4)に同じく正六氏の「父を語る」という一文があります。
父は私が十六歳の時に亡くなっているが、世間でいわれるような破滅型といった人間ではなく、話のわかるよいおやじだった。もっともこれが作家としては逆にマイナスになったとも思われる。
晩年は劇評を書いていたが、二~三回歌舞伎を見に連れて行ってもらったがすべてフリーパスだった。私から見ても芝居の鑑賞力は鋭かったし、劇評家としては一流だったと思う。道を誤ったとさえ思われる。多くの作家が来ていたが、十一谷義三郎、三木露風、石井漠などが記憶に残っている。
by kaguragawa | 2011-07-05 22:11 | Trackback | Comments(0)