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はや3か月、黒岩さんお元気ですか。   

 読みたかったのに本屋さんがなかなか届けてくれなかった岩波の『図書』1月号。ブログ友の奥村さんの記事に、1月号のことが紹介してあったのです。きょう、2月号といっしょに、やっと、てもとに来ました。
 巻末の「こぼればなし」にいわく;

 本との偶然の出会いの名人であった「ノンフィクション作家」黒岩比佐子さんが、さる11月17日、52歳で亡くなりました。迫る死と競争しながら完成させた『パンとペン――堺利彦と「売文社」』を刊行してひと月後のことでした。黒岩さんは小社からは『村井玄斎』を刊行され、これによってサントリー学芸賞を受賞。この書と今回の『パンとペン』、『編集者国木田独歩の時代』の三著を比読するとき、私たちはここに、出版史を本当の歴史として描きえた最初の歴史家の誕生に立ち会っていたこと、しかもその人をすでにして失ってしまったことを、痛切な思いをもって知るのです。

 「迫る死と競争しながら完成させた『パンとペン――堺利彦と「売文社」』」とはなんと見事な評言でしょう。が、「出版史を本当の歴史として描きえた最初の歴史家の誕生」とはどういう意味なのでしょう。もちろんものを知らない私のことですので、岩波の大編集子に異議を申し立てるなどそんな気持ちはないのですが、もう少していねいねいにご説明いただいたらと思わずにいられません。

 黒岩さんがおられなくなって3か月。といっても、黒岩さんのブログに書き込みをしたら、いつでもあのやさしい返事が返ってくるような気がして、「お元気ですが」と声をおかけしたい気持ちになってきます。
 ある事情で読みさしになってしまった『音のない記憶――ろうあの写真家 井上孝治』を、明日は読みたいと思っています。

by kaguragawa | 2011-02-18 23:03 | Trackback | Comments(0)

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