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夢二“日にけ日にけ”の歌(2)   

 日にけ日にけかっこうの啼く音聞きにけり かっこうの啼く音はおほかた哀し

 今日、あまり時間が取れそうにないので、とりあえずメモ書きとし、後日書き足したいと思います。
 まず、手元の万葉集の文庫本から、目についた「日に異に(ひにけに)」の歌を拾い集めてみました。(数字は巻数と歌番号です)

 10-2193
 秋風の日に異に吹けば水茎の岡の木の葉も色づきにけり
 10-2204
 秋風の日に異に吹けば露を重み萩の下葉は色づきにけり
 10-2295
 我がやどの葛葉日に異に色づきぬ来まさぬ君は何心ぞも
 17-3794
 山吹は日に異に咲きぬうるはしと我が思ふ君はしくしく思ほゆ

 13-3246 (13-3245への反歌)
 天なるや月日の如くわが思へる君が日に異に老ゆらく惜しも


 「日に異に」は、「日に日に」という現代も使われる――という意味は万葉集にすでに「日に日に」の用例があるということですが――言葉とほぼ同義で、
 【1.日増しに。日が経つに連れて。一日一日と。/2.毎日毎日。連日。】という意味でつかわれているようです。
 そして夢二の「日にけ日にけ」も、「日に日に」「日に異に」の2番目の意味と考えてよいようです。

 万葉集はともあれ、近代・現代の短歌に「日に異に」の用例、類似用例がどれほどあるのかわかりません。が、死に臨んでの夢二のこの歌は、夢二の身についていた古今の文学の素養が自然に湧出したものかと思います。

by kaguragawa | 2010-07-07 00:04 | Trackback | Comments(0)

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