〔かきやま〕と〔かきもち〕
2010年 01月 19日
「かきもち」と対で話題にされる「かきやま」について、“それいったい何?”とけげんな顔をされるされる方もあることでしょう。(綿密に調査したわけではないのですが、前田藩下の石川・富山限定の地域語のようです。)そもそも“「かきもち」って何?”、とおっしゃる若い?方もおられることでありましょう。
こうした問いに対して私なりの答えというか説明を用意はしたのですが、ちょっとまわりくどい話になるようなので割愛することにしました。(というのも、家に帰っておやつに食べようとした「かきやま」。その商品の袋には「かきもち」と書いてあって、説明の一筋縄でいかないことを納得?したからなのです。)
私には、「かきもち」よりも、「こりもち」という名の方が、天井から吊るしたいろとりどりの切りもちのイメージが浮かんでなつかしいのですが・・・。なんといっても私は豆のはいった「こりもち」が好きでした。
〔追記/2012.6.11〕
このページへのアクセスが多いようなので、少し補記しておきます。
(1)
「かきもち」(その音便形の「かいもち」)が、語源的に「欠き餅」「掻き餅」「柿餅」の3つの系譜があることについては、下記のページをご覧ください。ここで話題にしているのは、「欠き餅」に由来する「かきもち」です。
http://www.mars.dti.ne.jp/~seizo/page1.html
(2)
「おかき」「あられ」については、ウィキペディアの「おかき」項が要領よくまとめられています。以下にコピーしておきます。
おかき(御欠)は、餅米を原料とした菓子。欠餅(かきもち)とも。
・概要
餅を小さく切り(欠き)、乾燥させたものを表面がきつね色になるまで炙った米菓子。
小粒なものをあられと呼ぶが、本来はもち米をそのまま炒ったものをあられ、なまこ餅(ナマコに似た形状に成形された餅)を切って干し、焼いたもの(かき餅)をおかきと呼んでいた。しかし現在では同じ餅を原料とした焼き菓子を大きさで区別しているに過ぎない。
なお、これらの区分はJAS規格などに定められたものではなく、おおよその大きさで呼び方を変えている(いずれも米菓として区分)だけで明確な基準は無い。
焼く代わりに油で揚げたものを、揚げおかき(揚げあられ)と呼ぶ(歌舞伎揚やぼんち揚などが有名)。
(3)
「かきもち」「こりもち」「かきやま」「おかき」「あられ」などの幾つものことばのニュアンスの違いと実際の用例の違いを、とりわけ富山の方言と言われる「かきやま」を中心にまとめたいと思っていますが・・・。後日
立山の柿山の味 鮴の味 虚子
by kaguragawa | 2010-01-19 00:10 | いただくもの | Trackback | Comments(5)
かきもちのことをかきやまというのですね。
初耳ですが、赤坂のかきもち屋さんの名前が「柿山」といいます。とてもおいしい。これとは関係なしでしょうが、確かお米は富山、立山の美味しい水を使っているようですが・・・
それにしても、おいしそうなおもち。
豆もちが特に私も好きです。のりもちや、くるみもちはわかりますが赤い色は食紅でしょうか。
さとさん、こちらこそよろしくお願いします。さっそく、「かきやま」話題に移りましょう。食べ物話題は鮮度が一番!?。
そうなのです。この赤坂柿山の「柿山(かきやま)」が、ここで取り上げた《かきやま》です。
実は、先日この項を書くために検索をしてみるまで「赤坂柿山」というお店(というか社名が「株式会社赤坂柿山」だ)のことはまったく知りませんでした。どうして金沢・富山の地域語である「かきやま」が堂々と東京で評判の高い米菓として知られているのか。しかも《柿山》という“漢字表記”の商品名・会社名で・・・。
これはいったいどういうこと?と疑問を持ちながら上の記事を書いたのです。あらためて「赤坂柿山」のHPを検索して、これはもしや?と思ったのですが、私の推測はあたっていました。注目したのは、赤坂柿山の社長さんが川合寛妥(かわい ひろやす)氏であること。「柿山」の川合さんには心当たりがあったのです。(続く)
(「こりもち」が“凍り餅”であり、その別名である「かんもち」が“寒餅”であることを知った時は、へーっと思いました。)
冬というきびしい季節を私たちの先祖は、豊かなものにつくり変えてきていることを畏敬の念をもって思うこの頃です。