06/09/2003〔『テレマックの冒険』(2)〕   

・あのトロイ遺跡の発掘で有名なシュリーマンに『シナと日本』という著書があるのをご存じでしょうか(*)。少年の日の夢を実現すべく貿易商の仕事をやめ(41歳)、発掘にとりかかる前におこなった世界旅行の産物である。

実はドイツ人シュリーマンが日本(幕末)を訪れたことは、有名な自伝?『古代への情熱』のなかにも書いてあるのですが、私は読み過ごしていたのでした。この『古代への情熱』、青年期のシュリーマンが丁稚仕事の傍ら、語学の勉強(外国語の習得)にかけたひたむきな努力と工夫のくだりは印象深く覚えていたのですが・・・。
シュリーマンの名の懐かしさに久しぶりに私は、『古代への情熱』をひっぱりだして読み進んでいって、あることにびっくりしたのです。まずは岩波文庫(村田数之亮訳)の引用から。

「私は異常な熱心をもって英語の学習に専心したが、このとき、私はあらゆる言語の習得を容易にする一方法を発見した。」
「非常に多く音読すること、決して翻訳しないこと、毎日一時間あてること、つねに興味ある対象について作文を書くこと、これを教師の指導によって訂正すること、毎日直されたものを暗記して、つぎの時間に暗誦することである。」「私はあらゆる瞬間を勉学のために利用した。まったく時を盗んだのである。」
こうしてシュリーマンは、ウォルター・スコットの『アイヴァンホー』などを暗記し、半年で「英語の基礎的知識をものにした」のである。
「つぎに私は同じ方法をフランス語の勉強にも応用して、つぎの6か月でそれに熟達した。」

・ながながと引用しましたが、このときシュリーマンがフランス語で暗記したのがフェヌロンの『テレマックの冒険』とサン・ピエールの『ポールとヴィルジニー』だったのです。
さらにロシア語を習得した際、適当なロシア語テキストにも教師にも恵まれなかったため、彼はこの『テレマックの冒険』のロシア語訳を暗記したのである。さらに驚くべきことに自分の暗記したロシア語の「聞き手として」貧しいユダヤ人を週4フランで雇って!。

・ルソーの『エミール』で知り、読んでみたいと探していた『テレマックの冒険』。なんと二十数年前に、『古代への情熱』の中で何度も目にしていたはずなのです・・・。読み過ごしと忘却!!。

※『シュリーマン旅行記清国・日本』(講談社学術文庫/石井和子訳/1998.4)
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# by kaguragawa | 2003-06-09 06:42 | Trackback | Comments(0)

06/08/2003〔父の日の定番から〕   

・父の日の定番?〔甚平〕~〔しじら織り〕~〔海部花〕
父の日が近くなったせいで、「甚平」「作務衣」がチラシにあふれていますね。「甚兵衛羽織」というのが起源らしいのですが、今フォローする余裕がありません。むしろ、いつごろからこれが家庭用ファッション?として着られるようになったのでしょうか、その方が興味があります。
ところで、こんなかわいい女の子の甚平もありました。
http://www3.coara.or.jp/~tic/1doll/27doll/277.html
メモ〔半袖〕→谷崎潤一郎「半袖ものがたり」
〔ジンベイザメ〕http://www.fis-net.co.jp/topic/fishname/jinbei.html

・もっと興味のあるのは「甚平」に添えられた「しじら織り」ということば。
これもnet上で調べただけでもたくさんの情報があるのですが、語源はもとより今一つカチッとしたところが見えてきません。
あるサイトの中から“しじら織りは、縦糸と経糸の張力差を利用して織りあげ、「ちじみ」に仕上げてあり、「しぼ」と呼ばれる凹凸があるのが特徴です。肌ざわりがよく軽くて涼しい織物で、夏の浴衣、甚平などによく利用されています。”を引用しておきます。それより「阿波しじら」にちなんで海部花さんのことを知りました。
http://www.topics.or.jp/nie/2000nie/0821senjin.html
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# by kaguragawa | 2003-06-08 06:35 | Trackback | Comments(0)

06/07/2003〔小Rンxsさんの「箸やすめ」〕   

・ほんとは意味を知らなかったことば〔箸休め〕
耳にしたことはあっても、はっきりとした意味や使われ方を知らなかったり、誤解したままのことばは結構あると思う、私の場合。
「箸休めに、***をどうぞ」など言われ、「あっ、どうも」などと数十年間、受け答えして、箸をおいてきたわけである(笑)。
net上の「大辞林」によると
「食事の間に、味や気分を変えるためにつまむ、ちょっとしたおかずや珍味など。」とのこと。

・この「箸休め」は、小Rンxsさんのメモリアル句日記“一日溢句 孤麟句棲”↓の6/5の文章から。
http://www3.diary.ne.jp/user/324756/
6/3の「紫陽花は自分に足りない色を補ってくれる。目からじわっと心に浸透してくるようだ。」には、心が動かされました。

・「箸休め」については、京都の吉兆のホームページから↓
http://www.kitcho.com/kyoto/kokoroe/hasiyasume.htm
“献立の折り返し点”とのこと、なるほど。
吉兆のホームページは、ゆっくり読み直したいと思っています。
http://www.kitcho.com/kyoto/
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# by kaguragawa | 2003-06-07 06:40 | Trackback | Comments(0)

06/06/2003:「ことばの独占」という暴挙   

しまった先を越された!。読売新聞に負けてしまった!?。
実は昨日、「商標登録」の話を書こうと思いつつ準備ができず、「東京特許許可局」から「活舌」に話をずらしてしまったのですが、書こうと思っていたそのままのことが、“実話として”読売新聞の一面に出ていて驚きました(他紙未確認)。
私の[読売]へのしょーもない敗北感は、どうでもいい。記事を読むと、それは[角川]に対するかなりの怒りに変ってしまいました。
「商標登録」というと会社のマーク、ロゴ、商品名を他者に使われないように登録しておく制度と漠然と考えられているが、商品名の形で“ことばを登録”しておくことができるのである。

私は《めぐり逢うことばたち》を、和菓子の商品名として使おうと思い立ち、特許庁に(特許許可局にではない)商標登録の申請をする。おそらく今までにそんな出願はされたことがないであろうから、審査後、OKが出る。以後、私は《めぐり逢うことばたち》というお菓子の出現に異議申し立てができるという仕組みである。つまり、商品名という限られた範囲においてであれ「ことばの独占」が、めでたく国の力で認められることとなるのである。(ちなみに費用は約20万円)
問題はここからだ。記事をそのまま引用します。

・“「角川書店」などの持株会社「角川ホールディングス」が、非営利活動団体を指す「NPO」と「ボランティア」という言葉を商標登録していたことが分かった。角川側は二つの言葉を商標として独占的に使用できることになるため、NPO関係者「我々の定期刊行物に『NPO』が使えなくなると」と猛反発している。」”

・こうした社会の基本語ともいえることばへの、ことばの会社「角川」の、≪ことばの独占≫に私も猛反発したい。

※どういうことばが商標登録されているかは、簡単に検索できます。↓
http://www2.ipdl.jpo.go.jp/beginner_tm/TM_AREA.cgi?1054830602470
「ボランティア」と入力してみてください。
《商標出願2002-002676 ボランティア》が、角川のもので、net上ではまだ出願中の形になっていますが、新聞によれば「今年3月に認められた」とあります。
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# by kaguragawa | 2003-06-06 06:35 | Trackback | Comments(0)