<   2009年 06月 ( 4 )   > この月の画像一覧   

福野高校〔巖浄閣〕にて(2)   

e0178600_19365556.jpg
 稲塚権次郎は、富山県立農学校の大正3年(1914)の卒業生です。恥ずかしいことに、稲塚権次郎の名前は石黒岩次郎とともに富山県の生んだコメの育成者として知ってはいたのですが、その経歴や業績についてはまったく知らなかったのです。この巖浄閣の常設展で、稲塚が鉢蝋清香とともに顕彰の展示がなされていることで、福野にあった県立農学校の卒業生であり、水稲農林1号につらなる陸羽132号の育成者であり、小麦農林10号の育成者であることも知ったのです。

 と言っても、「水稲農林1号」も「小麦農林10号」のことも知らない私は、農業にたずさわった先人として彼らの展示を見始めたのですが、鉢蝋清香の展示に《水稲「陸羽132号」と宮澤賢治》の手書きの説明があるのをみてドキっとしました。実は、今この項を書こうとしている私には、稲塚権次郎と宮沢賢治のすれ違いの、しかし重なり逢う「生」が少しは見えているのですが、時間を昨日の戻して、まずその場で写し取った説明をここに転記することにします。

        ━━━━‥‥・・・・・・・・‥‥……━━━━

     水稲「陸羽132号」と宮澤賢治
 
 陸羽132号は、稲塚権次郎(旧城端町名誉町民)が、秋田陸羽支場で、寺尾博士、仁部富之助のもとで育成にかかわった水稲である。しかし権次郎は岩手県農事試験場に転勤となり、途中5代まで交配した種子を新潟農事試験場に送り、継続研究を委託する。そこには、偶然にも福野農学校の後輩である鉢蝋清香(旧平村名誉村民)が技手として勤務していた。そして、清香の手でついに世界に誇る早生水稲「農林1号」を完成させたのである。奇しくも福野農学校が生んだ偉才を放つ先輩と後輩とによる偉業であった。
 この農林1号をもとに、更に交配が重ねられコシヒカリ、ササニシキ等といった日本の優良水稲品種が多く育成されている。
 権次郎が育成に携わった「水稲132号」は、宮澤賢治が東北の飢饉を救うために心血を注ぎ、栽培を広く奨励した水稲である。この水稲により多くの人命が救われ、賢治は東北の人々から尊敬と絶大なる信頼を寄せられ、権次郎は「育種の神様」と賞讃される。
 賢治自身の詩集「春と修羅」の中の稲作挿話の中に、賢治がことのほかこの稲に思いを寄せていたことが綴られている。

[PR]

by kaguragawa | 2009-06-28 19:44 | 街歩き/たてもの | Trackback | Comments(0)

福野高校〔巖浄閣〕にて(1)   

 6/13に紹介した公開展「吉田鉄郎とふるさと南砺」(於:福野高校の巖浄閣(旧富山県立農学校本館/南砺市)に行ってきました。
e0178600_1927172.jpg


 この吉田鉄郎展にももちろん興味はあったし、この展示会がなければ出向くきっかけにならなかったことは確かなのですが、福野高校〔巖浄閣〕には、別の思いがありました。建築物というか文化財としての「巖浄閣」そのものを見たかったこと、明治大正期における「農学校」の存在の意味を考え直したかったこと(これは私の津田仙、内村鑑三、宮沢賢治への関心に繋がっています)、もう一つは極めて個人的なことがらなのでここでふれることは避けますが、そうしたいくつもの思いがあって今回の訪問となりました。

 予期せぬ発見もあり(帰宅後、それがある戸惑いともなりましたが)、いい時を過ごせました。

 ここでは予期せぬ発見であった「稲塚権次郎」のことについてだけ報告しておきます。

 *稲塚 権次郎 1897.02.24~ 1988.12.07

〔追記〕報告は、明日としました。
[PR]

by kaguragawa | 2009-06-27 19:41 | 街歩き/たてもの | Trackback | Comments(0)

06/08/2009〔京都の夢二〕   

 きょう彦乃が京都で彼女を待つ竹久夢二のもとへ。夢二、不二彦、彦乃の3人の生活がはじまる。
[PR]

by kaguragawa | 2009-06-08 06:43 | Trackback | Comments(0)

06/06/2009:夢二、デザイナーとしての軌跡   

 『夢二グラフィック――抒情カット・図案集』(ピエ・ブックス/20009.2)

 夢二のデザインエッセンスがつまった本。2800円と多少高価ですが、セノオ楽譜の表紙絵はもちろん、雑誌の表紙、挿し絵、カットなどが見飽きないほど満載されています。竹久夢二美術館の谷口朋子さんの解説もいつもながら得られること多いもので満足。
 ふつうの書店では、このピエ・ブックスの本というのは書棚にはほとんどないのではないでしょうか。そんなわけで、わたしも高岡市駅地下の芸文ギャラリーの企画展「芸文堂――2週間だけ本屋さん」(PIEブックスとラトルズの出版社2社限定のブックフェア)にふらりと立ち寄って知った次第。
http://www.takaoka-st.jp/?itemid=2472&subcatid=15
http://www.geibungallery.jp/hotnews.html#geibundo-2

〔追記〕
 旧日記に、夢二やセノオ楽譜について書いたもののいくつかを、自分の整理のために、リンクしておきます。

 http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=325457&log=20050710
 http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=325457&log=20041205
 http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=325457&log=20041204
 http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=325457&log=20030527
 http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=325457&log=20030220
[PR]

by kaguragawa | 2009-06-06 06:44 | Trackback | Comments(0)