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12/15/2006〔二人の詩人の見えざる出逢い〕   

 豊かな詩的天分と感性を持ち、短かな人生を生き抜いた二人の生。

 《国木田独歩》は、1908(明41)年に38歳で亡くなり、それに遡る十年前〔1898(明31)年〕に《八木重吉》は生を享け、29歳で生を閉じています。
 二人の人生が相交わった期間は十年。おそらくお互いをまったく意識しない十年の交差だったはずです。

 ところがこの二人の年譜を眺めていると、二人を太く結ぶ紐帯のような人物が浮かび上がってきます。
 独歩の佐伯時代の教え子であり、独歩を通してキリストに出逢った“冨永徳磨”です。彼は、独歩の死後十年後に今度は重吉に洗礼を授ける役割を担います。
 重吉はじかに独歩を知りませんでしたが、徳磨をとおして独歩を意識したはずです。
 (そして何の因果か、独歩が亡くなった「南湖院」という神奈川県茅ケ崎の結核療養所で重吉も人生最後の時を過ごすことになります。そういう意味で二人の晩年に立ち会った療養施設「南湖院」の創設者で医師の高田畊安も二人を結んでいる不思議な人物です。)

 こうした独歩と重吉の交わりもゆっくり追っかけてみたいと思っています。

 *冨永徳磨 1875~1930
 *高田畊安 1861~1945
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by kaguragawa | 2006-12-15 19:35 | Trackback | Comments(0)