岡田三郎「伸六行状記」――。   

 正直なところ、一読、ちょっと驚いた小説がある。岡田三郎「伸六行状記」――。1940(昭和15)年の作品(「新潮」発表)とは知っていたのだが、私が鈍感なせいもあるだろうが、戦中の欝々とした時代の雰囲気が感じられないのだ。不思議な作品だ。

 堀田善衞の『若き日の詩人たちの肖像』の第4部に、名前は明示されないものの“お龍さん”のあらたな旦那さんとして出てくることから、あらためて意識にのぼってきて、この短編をまず読んだ次第。あらためて近代文学事典を開いてみたら、野口冨士男が野口冨士男らしい文で「岡田三郎」の項を書いていたのもうれしいことでした。 


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by kaguragawa | 2017-06-29 22:58 | Trackback | Comments(0)

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