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木谷佐一と『大日本職業別明細図』   

 大正6年に東京交通社をおこして実用本意に工夫された全国都市の商工地図『大日本職業別明細図』を定期刊行という形で世に出し続けた木谷佐一(きたに・さいち/1877~1938)という人のことをくわしく知りたいと思っています。
 木谷佐一は、地図の作成を専門的に学んだ人ではなく、つまりこの地図は、地形図の提供を目的にしたものではなく、商工名鑑的なものを街区図上に繰り広げたもので、公共機関や寺社、商店、会社などの商工業者名が書き込まれ、裏面には業種別の索引を載せています。主たる機関や寺社には建物の写真も載っているのです。

 ところで、私が手元に持っているのは〔大正十四年一月丗一日発行〕の「大日本職業別明細図之内・富山市」分。「大日本職業別明細図之内」――〔…之内〕に注意!――となっているのは、上のような刊行システムによっていることがわかればなるほど思われる。(註:この富山市地図の発行人は、〔木谷佐一〕ではなく奥さんの〔木谷賀〕名義となっている。) 
 私が、《この》富山市地図を珍重?するのは、そこに「富山市電軌課」の建物写真が掲載されていることである。

 そして、今、この『大日本職業別明細図』の金沢市分を見たいと思っています。その地図上に探したい商店名がいくつかあるのだ。
 ゆっくり探そう。

by kaguragawa | 2013-05-03 23:28 | Trackback | Comments(0)

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