県のカドミウム汚染田復元事業、終了   

 神通川流域に広がったカドミウム汚染田の復元事業完工の式典が、きのう、富山市婦中町砂子田――ここも汚染地――「婦中ふれあい館」でおこなわれたことが、県内のどの新聞にも大きく取り上げられている。

 三井金属の神岡鉱業所からたれ流されたカドミウムによって汚染された農地の土を客土の手法で入れ替える復元工事は、富山県が汚染田に指定した約1500ヘクタールを対象に県営の「公害防除特別土地改良事業」として1979年度から始められたもの。30年以上にわたる営々としたこの事業には、頭が下がる。が、今年度で終了するこの事業の完工を祝する式典を報じる記事には、私の気持ちにそぐわないものが多い。
 加害企業が存在したという当然の事実が、控えめにしかふれられてないことは共通で、「復元」の具体的意味(食品衛生法のカドミウム基準値など)がほとんど明記されていないだけでなく、その手法や費用負担についての記述も明晰さを書いている。農地として復元されたのが汚染農地の約6割で、あとは農地以外に転用されていることもふれられていないなど、報道の姿勢には疑問が残る。
 こうした基本情報の伝達を欠如させたまま、放射能による土壌汚染とその除染にまで言及するのはいかがなものかとも思う。

 なお、来月4月の29日には、「県立イタイイタイ病資料館」(富山市友杉151/富山県国際健康プラザ内)が開館する。


 余談ながら、足尾鉱毒事件のレポートの一つ110年前の松本英子の「鉱毒地の惨状」(明治35〔1902〕.3/教文館)――原型は「毎日新聞」に1901.11.22から1902.3.23まで連載されたもの――が、“女性のみた近代”シリーズの一環として復刻されている(2000.6/ゆまに書房)ことを最近知りました。時間をつくって、読みたい。
 
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by kaguragawa | 2012-03-18 13:13 | Trackback(1) | Comments(0)

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