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東京の川に迷い込む   

 「3号雑誌」と言う言葉がある。一般の語釈によれば、“創刊して3号ほどで休刊や廃刊する雑誌”のことである。が、kaguragawa語釈では、3号に一回ほどは買う雑誌の謂いであり、私にとっての3号雑誌の典型は、『東京人』なのである。(ちなみに最新号(8月号)は、通算285号である。)
  『東京人』は、新号が出るたび、財布の中身も見ずに買う号と、財布に少し膨らみがあろうともすぐ書棚に戻す号とをいつも「峻別かつ瞬別」している、私にとって不思議な雑誌である。うれしさのあまり、前置きが長くなりました。
東京の川に迷い込む_e0178600_0452870.jpg 8月号の特集は、「東京の川を楽しむ」。墨田川や多摩川よりも神田川さらに野川の文字に心が躍る。さらに内田宗治さんの「発見と推理の喜びに満ちた廃川跡歩き」のタイトルには、“同感!”という語を、何回繰り返しても足りないくらいの思いである。

 北陸の片隅に住む田舎者ながら、東京に行けばたとえば首都高5号線の下を暗渠で流れる弦巻川をたどって時間を忘れて歩くような阿呆な人間ゆえに、廃川跡歩きのもつ喜びを共有できる人がいることは何よりもうれしいのである。

 実は一昨日も、日本橋にかつてあった「龍閑川」という水路(小運河)跡を、予定も計画もしていなかったのに、暗くなったビルの谷間に探し歩いたのでした。

 と、書きつつも、今ニュースで、北区、板橋区などを襲った豪雨の映像を見ながら、そして石神井川の名前をコメントで聞きながら、水のなす容易ならざる業を複雑な思いで見ているのですが。

by kaguragawa | 2010-07-05 23:31 | Trackback | Comments(0)

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