八尾の山のカタカゴの花   

 norikoさんのブログ「田舎暮らし」に八尾の山のカタクリの報告がありました。

 それを読みながら八尾のカタクリ(カタカゴ)について、忘れようにも忘れられない思い出があり、25年ほど前の記憶がまたよみがえってきました。以下、思いつくままに・・・。

 当時、八尾町関係のしごとをしていて、ある方から八尾の山にカタカゴの大群落があるというお話しを聞きました。しかもその大群落が山ごと無くなるというのです。詳しく話を聞いてみると、その山の土を婦中町のカドミウム汚染田復元の客土として使うというのです。
 その時点で、私が「かたかご」と「カタクリ」のことをどれほど知っていたものか、思い出せないのですが、さっそく教えてもらった場所に駆けつけました。はっきり言えることはそのときが私と実物のカタカゴとの最初の出会いだったことです。まさに大群落というほかに言葉のないありさまで山一面の起伏のままにカタカゴが絨緞のように林下に咲いていたのです。

 その当時「万葉集」には今ほど親しんではいませんでしたが、「カタカゴ」のやさしい音の響きには魅せられるものがあり、私にとってこの花は「カタクリ」ではなく「カタカゴ」だったのですが、花の魅力よりも「賢治がカタクリの葉のもように文字を読みとっていたことの方が記憶にあって、まず「葉」を実際に見てみたいという気持ちの方が、強かったことも覚えています。しかし、この花一つ一つの、そして群落をなすこの花の生態の、魅力がともにいっときにおそってきていつまでもその場を立ち去れなかったことを今も覚えているのです。

 カドミウムによる汚染田と全山カタカゴにうづめ尽くされた里山・・・。このカタカゴの地が土壌の復元に役立つならどうか春のような平安をもたらすそんな田や町に生まれ変わってほしい。そんな思いをいだいて後ろ髪を引かれるような思いで八尾の山を去ったことでした。
 そう言えば、そのとき同行したKさんもMさんもこの世におられない。どういう思いで今の世を見ておられることだろうか。
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by kaguragawa | 2010-04-07 21:01 | 樹と花/植物誌 | Trackback | Comments(0)

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