『日本語「ぢ」と「じ」の謎』
2009年 10月 27日
前置きが長くなってしまったが、net友やいっちさんのブログにある植物の名前――“イヌホオズキ”――を書きこんだとき、誤って「イヌホウズキ」と書いてしまった。このカタカナ書きの和名のもとは「犬酸漿(いぬ・ほおずき)」である。ゆえにこの植物の標準和名の表記は、「イヌホウズキ」ではなく、「イヌホオズキ」が正しいのである。
ちょっと話を遡らせれば、酸漿(ほおずき)の語源は「頬突き」だという。であれば、なぜ「ホオヅキ」ではなく「ホオズキ」なのか。。。「ほう」と「ほお」、「づ」と「ず」。これらは「仮名遣い」の問題である。
「高利」や「行李」は〔こうり〕で、「氷」は〔こおり〕、というような、歴史的仮名遣いと「現代仮名遣い」の間には多くの問題が横たわっているのです。「校正」のしごとに少し携わったとき以来、愚考しているこの問題について書くつもりで書き始めたのですが、時間がなくなってきました。この表記上の問題についても、別に書く機会をもつことにしましょう。
ほんとは、ある偶然で手にとった『日本語「ぢ」と「じ」の謎』(土屋秀宇/光文社知恵の森文庫/2009.6)の紹介を書くつもりだったのですが、――“とおくのおおきなこおりのうえを、おおくのおおかみとこおろぎがとお、ほおずきくわえてほおかむりをしながらとおっていった。”といったような、校正担当者が覚えているような意味不明な文のことも併せて、――あらためて時間を持ちたいと思います。
by kaguragawa | 2009-10-27 23:46 | 本/映画 | Trackback | Comments(0)